私は2022年9月現在で2回転職経験があります。その中でも1回目のSIerからWeb系ベンチャーへの転職の体験で、良かったこと・やっておいた方がいいことなど振り返ってみます!転職しようか悩んでいる人の参考になればと思います(転職煽りではないです)!
はじめに
2017年4月から新卒で働いていた大手のSlerを2020年3月で退職し、Web系ベンチャーに転職しました。初めての転職ということもあり、踏み切るまでにかなり時間がかかったのを今でも覚えています。転職しておいて心から良かったと思っている反面、もっと早く決断して行動すべきだと思いました。
転職の動機
大手で働いていたこともあり、実装や実作業というよりも管理や計画を立てて顧客とすり合わせしたりなどの、若手ながらレイヤーが高めの仕事をすることが多くなっていました。スキルがつく実感がないまま仕事のレイヤーだけ高くなっていき、自分の市場価値が下がっているのではないかと感じていました。また、携わっていたプロジェクトが超ミッションクリティカルなシステムで、OSSやクラウド・一般に普及しているフレームワークなどを使用できず、古い技術スタックで自社のミドルウェアを多用する構成でした。人が流動的なこともあり、やりたいことをできないような環境でもありました。
上記のような状態だったので、3年目の数ヶ月は悩みつつ最終的には、スキルをつけて市場価値を上げるために転職を試みました!転職の主な軸は以下3点です。
- 実装・実務スキルを身につけたい
- OSS・フレームワークなどより広く一般に普及している技術を扱いたい
- なるべく人数が少ない会社に入る(100人以内)
最終的に2社内定を頂いた中で上記の軸に従って企業を選択しました。今と振り返ってみても正しい軸で正しい決断をできたなと思っています。人数が少ない会社を選んだのは、やりたいことをやれる環境にアサインしてもらえる可能性が高いと感じたからです。
転職に踏み切るのには時間がかかった
転職するまでに数ヶ月悩んでいましたが、理由は大きく以下2点です。
- 大手企業に勤めていた
- 大規模で有名なプロジェクトに参画していた
企業もプロジェクトもとてもネームバリューがありました。新卒当時は正直どんな企業がいいかもわからず大きな所に入ろう思い頑張って入った企業だったので、手放すのが怖く感じていました。社会を支える大きな仕事という意味では、もしかしたら今後一生関わることができないレベル感だったかもしれないです。大企業の方が社会的に大きな仕事に携わることができると可能性が高いと思うので、価値観が合う方には向いている環境だと思います(あくまで個人的な主観なのと、傾向という意味です)。
ただ、私自信の考えとしては市場価値を高めることの方が重要に思えて、転職を決断しました。その会社しか知らずやり方も慣れて詳しくなったとしても、汎用的な実力でないと今後もし転職する機会があった際に通用しないと思います。価値を高めることができれば、大きな企業の大きなプロジェクトに今後参画することも可能だと思います。
エージェント
他にも登録していましたがメインでお世話になったのは以下のサービスです!
Wantedly
エージェントというよりも、求人情報ウェブサイトです。自分のプロフィールを掲載しておき、自ら企業へ応募したり、企業からスカウトを受けることができます。面接日程の調整は、Wantedly上のチャット機能で行います。
転職の流れ
スケジュール
時期 | できごと |
---|---|
2019年12月末 | 退社・転職を決意する。 |
2020年1月上旬 | 退社の意向を上司に告げる。 転職の準備を進める。 |
2020年2月上旬 | 転職活動を本格的に開始する。 業務後に面接をしたり、有給休暇を消化しながら転職活動を実施。 |
2020年2月末 | 最終出社日を迎える。(退職日は2020年3月31日) |
2020年3月上旬 | 内定をいただき転職活動を終える。 |
2020年4月1日 | 新しい会社で業務を開始する。 |
2020年の2月に入ってからエントリーや面接など本格的に転職活動を開始し、3月の上旬で入社したい企業から内定をいただけました(約1ヶ月活動)。残りの有給休暇が多くまとまった時間が取れるので、転職先が決まる前に退職する旨を伝えました。有給休暇がない場合は推奨できないですし、キャリア転職の場合は内定から承諾まで待ってもらえるケースは多いので、退職の意向は転職先が決まってから告げるのがベターです。
実録
8社ほど受けて2社内定をいただくことができました。厳しいのは想定していましたが、思ったよりも内定が出なかったです。元々Web系でもなくフレームワークなどの知識がなかったりなどありますが、総じて実力・スキル不足というのがほとんどでした。逆にいうと今の内に転職できておいて本当に良かったというのも当時の感想です。
2社内定をいただいたうちからは、OSSのフレームワークを扱えるところ かつ 仕事がいい意味で大変そう という観点で転職先を決めました。どちらも前職と給与は変わらない水準で全く同じ金額でした。
転職までにやっておくべきこと
エンジニアだと資格はあまり評価されず、実務でどんなことをしてきたか・普段からどんな学習しているか・アウトプットしているかなど、総じてスキルと学習習慣を見られます。私も転職先で面接官を担当することもありましたが、結局何ができるのか・できそうになりそうか という観点で質問していたことが多かったです。
業務で成果を出す
本業で取り組んでいることに対して、自分を時間を費やして学習してインプットし業務でアウトプットして実力にすることがベストです。実務に勝る学習はないので実践の中で成長して成果をあげることがとても重要です。
GitHubに成果物を作成
GitHubは絶対に見られます。大規模なものでなくてもいいので、定期的に成果物はプッシュしておいて説明できるようにしておくのと、草を生やしておくことが重要です。
エージェント・サービスには早めに登録
転職を少しでも意識し始めたらエージェントに登録しておきましょう。短い期間で転職するとなると、焦ってしまい希望していない企業に入ってしまうかもしれません。登録しておくのは無料なので、早めに登録しておきましょう。もしかしたら良いスカウトを受けることができるかもしれません。
また、atCorderやPaizaなどの実力を数値化できるサイトにも登録しておいて定期的に更新しておくと、優良なスカウトを受けつつ実力アップしていくことができます。
得意分野を作る
特に自分が担当したい分野において得意分野をつくりましょう(バックエンドのSpringみたいな)。自分の中で相対的に得意な分野で大丈夫で、面接中に語れるように技術の内容を整理しておきましょう。
まとめ
給与も重要ですが、特に若手のうちは経験と成長が重要だと思います!もっと深く聞いてみたいなどありましたら、お問い合わせ あるいは SNSからDMお願いします!
新卒採用との違い
新卒:ポテンシャル、何ができそうになるか
中途:実力を見られる(若手はポテンシャルも見てもらえる)、何ができるか
中途は新卒と異なり実力主義で何ができるかを見られることが多いです。そのため、普段から成果を出してアピールできる準備をしておくことが重要です。
SlerとのWeb系ベンチャーの違い
SlerはWeb系ベンチャーは同じIT企業とはいえかなり企業体質が異なります。私が参画したプロジェクトではという文脈ですが、ポイントを書いてみます。
Slerは組織として完成されているので、様々な制度や社内システム・標準化ドキュメントなどが既に揃っています。社内でミドルウェアやハードウェアを作っていたりもするので、内製製品を使うことも多くサポートが迅速です。社会公共性の高い大規模システムに携わることも多くセキュリティやミッションクリティカル度が高い傾向にあるのと、技術スタックは古めです。
Web系ベンチャーでは、制度などはあまり揃っていなく意見を汲み上げてドンドン作っていくようなイメージです。基本的にはOSSやクラウドを駆使してシステムを造ります。事業規模が比較的小さいので小中規模のシステムが多いですが、その反面1つシステム全体に携わることができます。
個人的にはWeb系ベンチャーのスピード感のある文化や、自分たちで作り上げていくようなスタイルは合っていてとても良かったです。大きなシステムではないため全体に関わることができるのも、若手のうちだと魅力的だと思います。
大事なこと
2020年にキャリア転職してみて2022年現在(2回目の転職でフリーランス)に至って振り返って見ると、やはりキャリア転職時に下した決断はすごく正しくて、観点としても間違っていなかったと思います。加えて言うならば、コミュニケーションツールはどんなものを使っているか、そもそもコミュニケーションが活発かどうかを確かめることは重要だと思います。Web系ベンチャーではSlackを使いつつのフルリモートで、コミュニケーションがかなりしやすい(質問・オンラインミーティングしやすい)環境だったのが成長できた要因の1つだと思っています。
キャリア転職時に給料はほとんどアップしていなく、2,3年後に回収できる実力をつける・市場価値を高めることを主な目標にしていました。これも今思えば正しい判断だったと思います(現在はフリーランスになってめちゃくちゃ給与上がりました)。給与面で悩むこともあるかと思いますが、20代のうちは目先の給与にとらわれず、本当に実力がつくか(つきそうか)という観点で選択していくことが重要だと思います!